平居直設計スタジオ
彦根の眼鏡店
JINS彦根店 滋賀県彦根市 琵琶湖畔 建築+内装
企画設計、什器:高岡勇治/SanpoDesignOffice
設計監理 :平居直/平居直設計スタジオ
構造設計 :橋本一郎/エス・キューブ・アソシエイツ
植栽 :緑演舎
グラフィック :猿田真維
施工 :伊藤組
撮影 :阿野太一
アイウエアブランド「JINS」の彦根店は、同社がロードサイド店舗の出店を進めていく中で、地域に根ざした新たなモデルとなるように企画され、プロジェクトが始まりました。
敷地は琵琶湖畔の幹線道路に面し、大型商業施設の広大な駐車場の一角に位置します。水や緑といった自然の要素と道路や駐車場のアスファルト、大型店といった人工的な要素のいずれもスケールの大きなものに囲まれた場所です。この地の出身者としては勝手知ったる場所でしたが、設計者として改めて敷地に立ってみると、湖岸の大きな木々で直接は見えないものの、そのすぐ後ろに控える琵琶湖の圧倒的なスケールを感じずにはいられませんでした。
そのような周辺環境に素直に応答し、敷地周辺を琵琶湖も含めた大きな公園と捉え、公園内の東屋のように周囲に馴染み、豊かな自然を感じながら眼鏡との出会いを楽しんでもらえる店舗を目指しました。
まず、周囲の大きなスケールに呼応させるように、道路や琵琶湖の緑に沿うかたちで伸びやかで軽やかな屋根を掛けました。大きく跳ね出したシンプルな切妻屋根は、店内では気持ちの良い気積を確保しつつ、軒先では湖岸への抜けを感じられるような断面に設定しています。ケラバ側も近接するカフェに向けて大きく跳ね出して軒下空間をつくり、湖岸の木々を拡張させるイメージで設けた植栽のまわりには、ちょっとしたマルシェのブースを出せるような余白を設けました。クライアントに求められた用途は眼鏡店ですが、カフェとの親和性が高まるような構えとすることで、共同イベントを催すなど外部にも賑わいが溢れ出るきっかけになればと考えました。
伸びやかな屋根を強調させるために屋根と垂木までは木とし、頑丈な鉄骨のフレームの上に木の屋根が乗るという構成にしています。また、駐車場から店舗を見たときに公園の要素である湖岸の緑まで視界が抜け、店内の眼鏡什器のみが際立つように工夫しています。具体的には鉄骨フレームやサッシの方立ては什器のモジュールから割り出したピッチにして内外の透過度を高め、屋根と内外の壁も含めて同系色でまとめることで眼鏡什器の背景となるようにしています。彦根で感じた軽やかで柔らかい空気感を素材選定や寸法設定に反映させるとともに、グラフィックにおいても地域の雰囲気と眼鏡を意識したイメージでまとめて頂きました。
掲載誌:商店建築 増刊号「GREEN is-植物と共にある空間デザイン-」
日本空間デザイン賞2019 BEST100(ShortList)入賞
掲載:designboom Italy
掲載:Designverse China
掲載:Archilovers Italy
掲載:田島ルーフィング シングルコレクション
掲載:Amazing Architecture USA
掲載:archello Netherlands
掲載:Archinect USA
掲載:Architect Magazine USA
掲載:KENCHIKUさん
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